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実家じまいは何から始める?片付け前に確認することと進める順番

この記事の目次
  1. 実家じまいは物の片付けより先に権利と合意を確認する
    1. 今月やること:名義確認と家族への一報
    2. 3か月でやること:期限手続きと処分基準の合意
    3. 1年でやること:片付けと売却か管理かの決定
  2. 最初に取る書類で名義と権利関係を確認する
    1. 登記事項証明書で名義と共有持分を確認する
    2. 固定資産税納税通知書で対象不動産と評価額を把握する
    3. 未登記建物や借地権の有無を確認する
  3. 親の状態で変わる着手順序を4つのケースで見分ける
    1. 親が元気で自宅または実家に住んでいる場合
    2. 親が施設へ入居して実家が無人になった場合
    3. 親を看取り相続が始まった場合
    4. 親の判断能力が低下している場合
  4. 家族の合意を議事メモと処分基準で先に固める
    1. 話し合いの前に議事メモの様式を統一する
    2. 遠方のきょうだいと費用負担と作業負担を分担する
    3. 処分してよい物の基準を事前に合意する
    4. 親に荷物の処分を提案する伝え方を用意する
  5. 実家じまい総額の内訳と金額が振れる要因を押さえる
    1. 片付けと遺品整理の作業量を見積もる
    2. 建物の解体と残置物処分の規模を見積もる
    3. 戸籍と登記の実費と専門家報酬を見積もる
    4. 仏壇と墓の整理にかかる支出を見積もる
    5. 売却時の仲介手数料と税負担を見積もる
  6. 期限のある手続きを片付けより先に押さえる
    1. 相続放棄を判断できる期間を把握する
    2. 相続税の申告と納付の日程を逆算する
    3. 相続登記の申請義務に期限内で対応する
    4. 空き家の譲渡所得特別控除の適用時期を確認する
    5. 住宅用地特例が外れる条件を確認する
  7. 自分で判断せず相談する場面と窓口を選び分ける
    1. 市区町村の空き家窓口と固定資産税課に補助と課税を確認する
    2. 登記は司法書士、対立は弁護士に相談する
    3. 特例の適用可否は税理士と所轄税務署に確認する
    4. 不動産会社の査定は名義確認後に依頼する
    5. 地域包括支援センターと消費生活センターに切り分けて相談する
  8. 今月は書類2点の取得と家族への一報から動き出す
    1. 親の状態別に今月の一手を1つに確定する
    2. 期限が絡む論点は着手前に相談先を確保する
  9. よくある質問
    1. 実家が賃貸住宅の場合も同じ順序で進められますか?
    2. 実家から見つかった写真データやパソコンはどう扱えばよいですか?
    3. 実家に残っていた現金や預金通帳はどう扱えばよいですか?
    4. 作業を始める前に近隣へ連絡は必要ですか?
    5. 実家から出た家具や家電を寄付やリユースに回す方法はありますか?
  10. 実家じまいは名義と期限の確認から始める

「親が施設に入って実家が空になったけれど、私が勝手に家の中を片付けてよいのだろうか」

「きょうだいに何をどう伝えれば、後で揉めずに進められるのだろう」

このようなお悩みはありませんか?

実家じまいを片付けから始めると、名義や家族の合意が未確認のまま作業が進むおそれがあります。家と土地の名義が誰なのか、期限のある手続きがいつまでなのかを先に確かめておけば、作業のやり直しを避けやすくなります。この記事で確認できるのは、今月やること、3か月で決めること、1年かけて判断することです。名義の確認に使う書類と取得先、親の状態別の着手順序も扱います。遠方から月1回しか帰れない状況でも、今月の一手を1つに絞れる内容です。

実家じまいは物の片付けより先に権利と合意を確認する

最初に取りかかるのは名義の確認、きょうだいへの一報、期限の把握です。物の仕分けは4番目に回します。順序を逆にすると、所有者の同意がないまま処分した家財が遺産分割の話し合いで争点になり、片付けた分だけ後戻りが生じます。

必要な期間は、家財の量、実家までの距離、家族の合意状況で変わります。期限の根拠となる法定の手続きは後の章で扱います。

着手直後から1年後までの動きは、今月、3か月、1年の3つの段階に分かれます。

  • 今月やること:名義確認と家族への一報
  • 3か月でやること:期限手続きと処分基準の合意
  • 1年でやること:片付けと売却か管理かの決定

それぞれを順に解説します。

今月やること:名義確認と家族への一報

今月は登記事項証明書と固定資産税納税通知書を手元に集め、きょうだい全員へ着手の連絡を入れる、この2点で十分です。書類が揃うまで、費用の見積もりも業者の選定も判断しません。

連絡は口頭だけで終えると、伝えた内容の記憶が食い違います。メールやメッセージで次の3行を送ると、後から見返せる記録になります。

  • 実家が無人になったため、まず名義と税金の書類を取り寄せます。
  • 家の中の物は、方針が決まるまで持ち出しません。
  • 書類が揃った時点で内容を共有し、処分の基準を相談させてください。

この段階で触らない物も決めておきます。通帳、印鑑、権利証、現金は、見つけても保管場所を記録するだけで構いません。金銭に関わる物は相続の対象そのもので、独断で動かすと説明が難しくなります。

3か月でやること:期限手続きと処分基準の合意

3か月の枠では、相続放棄を検討するかどうかの判断と、処分基準の合意を優先します。相続放棄の申述期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内で、申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。

調査が終わらないまま期間が過ぎそうな場合は、家庭裁判所へ申立てることで熟慮期間を伸長できます。申立て自体も原則3か月以内に行う必要があるため、負債の有無が読めない段階で早めに検討します。

この期間に、家族で処分の線引きを決めます。

  • 写真、手紙:残す範囲と保管担当を決める
  • 貴金属、仏具:評価や供養の扱いを個別に確認する
  • 家電:引き取り方法と費用負担の担当を決める

基準が割れて決まらないときは、遺産分割の進め方も含めて司法書士へ相談内容を渡します。

裁判所:相続の放棄の申述

1年でやること:片付けと売却か管理かの決定

片付けの本格着手は、名義の確認と処分基準の合意が固まった後です。そこから売却、賃貸、当面の管理という出口の決定までを含め、1年程度の幅で考えます。

帰省できる回数が限られるなら、1回ごとの作業範囲を先に決めます。季節の条件を織り込んで割り振ります。

  • 春から夏:草木が伸びる時期で、庭と外周の対応を優先する
  • 秋:屋内の仕分けと搬出をまとめて進めやすい
  • 冬:水道の凍結対策を先に済ませ、屋内作業に絞る

出口の3択は、通える距離、建物の状態、家族の意向という軸で比べます。それぞれの費用や税の詳しい比較は、この見出しの範囲を超えるため別の章で扱います。

最初に取る書類で名義と権利関係を確認する

名義が親のままであれば、子だけで売却や大量処分を進めることはできません。所有者本人の意思確認か、相続による名義の移転が前提になります。

名義と権利関係は、登記、納税通知書、未登記や借地の3つの観点から確認できます。

  • 登記事項証明書で名義と共有持分を確認する
  • 固定資産税納税通知書で対象不動産と評価額を把握する
  • 未登記建物や借地権の有無を確認する

それぞれを順に解説します。

登記事項証明書で名義と共有持分を確認する

登記事項証明書は全国どの法務局の窓口でも、オンライン請求でも取得でき、名義人と共有持分、抵当権の有無が分かります。実家の所在地から遠くても、近くの法務局で請求できます。

手数料は請求の経路で変わります。書面請求で窓口交付を受ける場合は1通600円、オンライン請求では送付での受領が520円、窓口での受領が490円です。郵送請求も書面請求として扱われます。

請求時には地番と家屋番号が必要で、住所の表記とは一致しません。固定資産税の課税明細に記載があるほか、分からない場合は法務局で確認します。証明書に抵当権の記載が残っていたときは、完済済みでも抹消登記が未了の可能性があり、借入先の金融機関へ照会します。

法務省民事局:各種証明書等の手数料が変わります

固定資産税納税通知書で対象不動産と評価額を把握する

納税通知書に同封される課税明細を見ると、親名義の不動産が実家以外にもあるかを一覧で確かめられます。課税明細には、実家のほかに畑、私道の持分、別の宅地が記載されている場合があります。

通知書が見つからないときは、市区町村の資産税課で名寄帳の写しを請求します。同一名義人の課税物件がまとまった形で確認できます。

課税明細では次の項目を追います。

  • 地目と地積:現況の使い方と面積
  • 評価額と課税標準額:税額の計算根拠
  • 住宅用地特例の適用有無:軽減が効いているか

住宅用地特例の記載は、無人化した後の税負担の話につながります。空き家の管理状態と特例の関係は、後の章で扱います。

未登記建物や借地権の有無を確認する

増築した部分や離れの物置が未登記だったり、建物は親名義でも土地が借地というケースは、登記事項証明書だけでは判明しません。売却や解体の直前に発覚すると、工程が止まります。

確認に使う資料は3つです。市区町村の家屋補充課税台帳で、登記のない家屋に課税されていないかを見ます。次に確認するのは、通帳や現金出納の記録に地代らしい定期的な支払いがないかどうかです。最後に、土地の賃貸借契約書が家の中に保管されていないかを確かめます。

該当した場合の相談先は次のとおりです。

  • 未登記建物の登記:土地家屋調査士
  • 共有持分、相続による名義の移転:司法書士
  • 借地の契約条件、承諾の要否:地主

権利関係の評価と手続きの可否は、資料を揃えたうえで司法書士や土地家屋調査士の判断に委ねます。自己判断で契約や解体の話を進めない方が安全です。

親の状態で変わる着手順序を4つのケースで見分ける

同じ実家でも、親の状態によって最初の一手は変わります。分かれ目は、所有者の同意をどう得られるかです。

親の状態所有者同意の取り方今月やること触ってはいけない領域
元気で在宅親本人から直接資産メモの作成親に無断の処分
施設へ入居親本人の意思確認無人期間の管理体制売却の先行手配
相続開始後相続人全員の合意相続人と遺言の確認大量処分と形見分け
判断能力の低下法定の手続きが必要窓口への相談家族による売却手続き

親の状態に応じた着手順序は、4つの観点から確認できます。

  • 親が元気で自宅または実家に住んでいる場合
  • 親が施設へ入居して実家が無人になった場合
  • 親を看取り相続が始まった場合
  • 親の判断能力が低下している場合

それぞれを順に解説します。

親が元気で自宅または実家に住んでいる場合

所有者である親の同意があれば、処分も名義の変更も進めやすく、この時期の作業は後戻りが少なくて済みます。親の意向を直接聞ける点が、他の3つのケースとの決定的な違いです。

まず、親と一緒に資産メモを作ります。項目は不動産、預貯金、保険、墓、農地の5つに絞り、所在と連絡先を書き添えるだけで足ります。

話し合いで決めておく事項は3点にとどめます。

  • 親が残したい物と、その保管場所
  • 実家を将来どうしたいかという親自身の希望
  • 入院や介護が必要になったときの連絡順序

生前贈与や名義変更に伴う税の扱いは、金額と時期で結論が変わります。判断は税理士に委ねてください。

親が施設へ入居して実家が無人になった場合

名義は親のままなので、売却は親の意思確認が前提になります。先に手を付けるのは通水と郵便物の管理です。建物の劣化や郵便物の滞留を防ぐため、無人になった時点で管理方法を決めます。

帰省時のチェックは、建物、外周、契約の3つに分け、毎回同じ順で確認します。

  • 建物:通水と換気、水回りの臭気の確認
  • 外周:郵便物の回収と庭木、雑草の状況
  • 契約:火災保険が空き家扱いになるかの確認

月1回の帰省では回りきらない部分は、外部の手を借りて補います。近隣の親族への声かけ、郵便の転送届、自治体のシルバー人材センターや管理サービスの利用が候補です。費用と作業範囲を先に書面で確認します。

住宅用地特例と空き家の判定の関係は、税負担に直結するため後の章で扱います。

親を看取り相続が始まった場合

相続人が確定し、遺産の見通しが立つまでは、大量処分と形見分けを止めます。誰の物になるか決まっていない財産を動かすと、後の話し合いで説明を求められます。

着手前に確認するのは3点です。

  • 遺言の有無と保管場所
  • 戸籍で確認した相続人の範囲
  • 不動産、預貯金、負債の概算

負債が多く相続放棄を考える場合、家財の処分は特に慎重に扱います。財産を処分した事実が、相続を承認したものと評価される可能性があるためです。片付けたい気持ちがあっても、放棄の判断が済むまでは現状の維持にとどめ、判断そのものは弁護士や司法書士へ相談します。

相続放棄や相続税、相続登記の期限は、期限のある手続きを扱う章でまとめて確認できます。

親の判断能力が低下している場合

親名義の不動産の売却は、家族の判断だけでは進められません。成年後見など法定の手続きを経る必要があり、同居していた子でも代わりに契約することはできません。

制度使える時期手続きの入口
任意代理、任意後見の契約親に判断能力があるうち公証役場、専門家への相談
成年後見判断能力が低下した後家庭裁判所への申立て

どちらに当てはまるかは、親の状態と契約の有無で決まります。要件や申立ての進め方は、家庭裁判所の案内で確認するのが確実です。

何から相談すればよいか分からないときは、地域包括支援センターが入口になります。介護の状況を把握している窓口なので、後見の相談先や弁護士会などの案内につながりやすくなります。売却の可否は自分で結論を出さず、窓口と家庭裁判所の確認に沿って進めてください。

家族の合意を議事メモと処分基準で先に固める

名義と権利関係が分かったら、次はきょうだいとの合意です。合意は感情の説得ではなく、記録の共有で作ります。家族の合意は、議事メモ、役割分担、処分基準、親への伝え方の4つの観点から確認できます。

  • 話し合いの前に議事メモの様式を統一する
  • 遠方のきょうだいと費用負担と作業負担を分担する
  • 処分してよい物の基準を事前に合意する
  • 親に荷物の処分を提案する伝え方を用意する

それぞれを順に解説します。

話し合いの前に議事メモの様式を統一する

決めたことと保留したことを同じ様式で残し、当日中に全員へ共有すると、後から合意内容を確認できます。様式が毎回違うと、どこまで決まったかが分からなくなります。

メモに入れる項目は5つで足ります。

  • 日付と場所、話し方(対面か電話かオンライン)
  • 参加者と、欠席者への共有方法
  • 決めたこと
  • 保留したことと、その理由
  • 次回までの担当と期日

口頭だけで進めると、行き違いが起きやすくなります。実家の家具を「処分でいい」と言われたつもりが「価値のある物は相談する前提だった」とずれる例。費用を立て替えた側だけが金額を覚えている例。誰が業者へ連絡するかが宙に浮く例です。保留にした項目こそ、文言をそのまま残します。なお、遺産分割など相続手続きに関わる合意は、最終的に書面での取りまとめが必要です。書き方は司法書士へ確認してください。

遠方のきょうだいと費用負担と作業負担を分担する

作業に来られないきょうだいには、費用と連絡の役割を割り当てます。負担を「体を動かす作業」と「お金と事務」に分けると、遠方でも担える部分が出てきます。

役割内容遠方でも可否
現地作業立ち会い、仕分け、搬出の見守り帰省時のみ
費用と精算立替の分担、振込、記録の保管可
連絡と書類業者や自治体への問い合わせ、証明書の取得可

立替金は、その都度記録すると後で揉めにくくなります。

  • 支払日、支払先、金額、内容を1行で記録する
  • 領収書は写真に撮り、当日中に共有する
  • 精算は作業ごとではなく、月末など時期を決めてまとめる

話し合いが平行線のままなら、司法書士など第三者に同席してもらう選択肢もあります。

処分してよい物の基準を事前に合意する

品目ごとに、残す、分ける、処分するの3区分を作業前に決めます。現場で判断すると、後から「勝手に捨てた」という話になりやすいためです。

品目先に決める区分
写真、手紙残す。デジタル化してから保管場所を決める
貴金属、着物分ける。単独で処分せず一覧化する
仏具分ける。祭祀の担当者を決めてから扱う
家電、家具処分。使用可否と搬出経路で判断する

区分で迷いやすいのは、換価性のある物です。貴金属、着物、骨董、自動車などは遺産分割の対象になり得るため、一人の判断で売却や廃棄をしません。写真に撮って一覧にし、評価が必要なものは分割の話がつくまで保管します。形見分けは、相続人の範囲と分割の方針が定まった後に進めると、親戚間の説明もしやすくなります。形見分けを始めるには、相続人の合意が前提です。

親に荷物の処分を提案する伝え方を用意する

片付けの目的は、処分ではなく生活の安全と管理負担の軽減として伝えます。親にとって荷物は生活の履歴で、「捨てる」という言葉だけが残ると話が止まります。

  • 「そろそろ片付けよう」ではなく「廊下の段ボールで転ばないようにしたい」
  • 「いらない物を捨てよう」ではなく「使う物を取り出しやすい場所へ移したい」
  • 「業者を入れる」ではなく「重い物だけ運んでもらう日を作りたい」

言い方が決まったら、範囲を狭めます。家全体ではなく、玄関から寝室までの通り道、次に水回り、という順で1部屋ずつ区切ると、親も結果を確認しながら進められます。1回の作業は半日程度に収め、判断は親に任せる形が続けやすいでしょう。認知症などで判断能力が低下している場合は、本人の同意だけで進められる範囲が変わります。前章のケース別の考え方に戻り、地域包括支援センターへ相談してください。

実家じまい総額の内訳と金額が振れる要因を押さえる

処分の基準が決まると、次に気になるのは費用です。総額は、片付け、建物の処分、登記、祭祀関係、売却時の支出の5つの項目に分かれます。

  • 片付けと遺品整理の作業量を見積もる
  • 建物の解体と残置物処分の規模を見積もる
  • 戸籍と登記の実費と専門家報酬を見積もる
  • 仏壇と墓の整理にかかる支出を見積もる
  • 売却時の仲介手数料と税負担を見積もる

それぞれを順に解説します。

片付けと遺品整理の作業量を見積もる

金額は、物量、間取り、搬出経路、階数、処分品の種類で変わります。同じ量でも、道路から玄関まで距離があり、2階からの搬出が必要な家では作業人数と日数が増えます。

そのため、見積書は総額ではなく内訳で比べます。

  • 作業範囲:どの部屋、庭、物置まで含むか
  • 人数と日数、処分費の内訳
  • 追加料金の条件と、買取分の扱い

内訳のうち処分費は、品目で扱いが変わります。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は家電リサイクル法の対象で、通常の粗大ごみとは別の手続きです。その他の家財は一般廃棄物として市区町村の区分に従うため、回収できる品目と搬出条件は自治体の案内で確認します。訪問見積で契約を急がされたと感じた場合は、その場で結論を出さず、消費生活センターへ相談する方法があります。

建物の解体と残置物処分の規模を見積もる

解体費は構造と延床、前面道路の幅、隣接状況で変わり、家財が残っていると上振れします。重機が入らない立地では手作業が増え、隣家が近ければ養生の範囲も広がります。

比べる項目をそろえてから複数社に依頼します。

  • 構造と延床面積、廃材処分費の内訳
  • 付帯工事:ブロック塀、樹木、物置、浄化槽
  • アスベスト調査と養生、近隣説明の扱い

費用を抑える方向で考えるなら、解体前に補助制度の有無を調べます。空き家の除却に対する補助は市区町村ごとに要件と申請時期が異なり、着工後の申請を認めない例もあるため、契約前に自治体の公開ページで確認してください。解体後は建物がなくなるので、土地の課税の扱いも変わります。翌年度の税額は資産税課へ事前に確認してください。

戸籍と登記の実費と専門家報酬を見積もる

戸籍や登記関係の実費と、専門家へ依頼する場合の報酬は分けて考えます。実費は書類の通数で積み上がり、報酬は相続人の数や不動産の件数で変わります。

書類取得窓口
戸籍謄本、除籍謄本市区町村(本籍地)
住民票の除票、印鑑証明書市区町村
固定資産評価証明書市区町村の資産税課
登記事項証明書法務局

登記事項証明書の手数料は、窓口や郵送の書面請求で1通600円、オンライン請求では送付で受領520円、法務局窓口で受領490円です。登録免許税は固定資産税評価額をもとに計算するため、先に必要になるのが評価証明書です。相続した土地の一部には、2027年3月31日までの相続登記について登録免許税の免税措置があります。自分で申請するか依頼するかは、相続人の人数、不動産の所在地の数、期限までの残り時間の3点で判断します。

出典:法務省民事局:各種証明書等の手数料が変わります/法務省:相続登記の申請義務化について

仏壇と墓の整理にかかる支出を見積もる

仏壇と墓は、金額に加えて親戚の合意と手続きの期間が必要です。親戚との調整に時間がかかる場合があるため、片付けの日程だけで決められません。

仏壇の依頼先相談できる内容
寺院閉眼供養、位はいや過去帳の扱い
仏具店買い替えに伴う引き取り、小型仏壇への変更
専門業者搬出と処分、供養の手配
自治体粗大ごみとして出せるかの可否と条件

墓を移す場合は、市区町村の改葬許可が必要です。現在の墓地の管理者と移転先の受け入れ証明が関わるため、先に双方へ連絡し、必要書類を確認してから申請します。親戚への説明は手続きの前に済ませます。費用の目安や進め方の詳細は、仏壇と墓を扱う記事で確認してください。

売却時の仲介手数料と税負担を見積もる

売却では仲介手数料と譲渡所得への課税が発生し、要件を満たせば特別控除で税負担が変わります。手取り額は売買価格から諸費用を引いた後に決まります。

  • 仲介手数料:宅地建物取引業法で上限が定められている
  • 測量と境界確定、越境物の処理
  • 登記費用、契約書の印紙、引き渡し前の残置物処分

税負担は、被相続人の居住用財産を売ったときの特別控除が使えるかで変わります。控除額は最高3,000万円で、2024年1月1日以後の譲渡で取得した相続人が3人以上の場合は1人2,000万円です。譲渡対価が1億円以下であることなどの要件があり、適用期間は2027年12月31日までの譲渡です。片付けや解体の順序が可否に影響するため、売却の見通しが立った段階で税理士または所轄税務署へ相談してください。

出典:国税庁:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

費用は5項目の合計で見ますが、解体補助と課税の扱いだけは地域差が大きく残ります。解体を検討する段階で市区町村の空き家窓口へ、税額の見通しは固定資産税課へ問い合わせてください。

期限のある手続きを片付けより先に押さえる

費用の枠組みが分かっても、期限を過ぎると選べる方法が減ります。まず、手続きごとの起算点と期限を1枚にして把握します。

手続き起算点期限の考え方確認先
相続放棄自己のために相続の開始があったことを知った時3か月以内。伸長の申立てが可能家庭裁判所、弁護士
相続税の申告と納付死亡を知った日の翌日10か月以内税理士、所轄税務署
相続登記の申請相続で取得したことを知った日3年以内法務局、司法書士
空き家の特別控除相続開始の日3年を経過する日の属する年の12月31日まで税務署、市区町村
住宅用地特例勧告を受けた時翌年度以降の課税に影響固定資産税課

先に押さえる期限は、相続放棄、相続税、相続登記、空き家の特例、固定資産税の5つあります。

  • 相続放棄を判断できる期間を把握する
  • 相続税の申告と納付の日程を逆算する
  • 相続登記の申請義務に期限内で対応する
  • 空き家の譲渡所得特別控除の適用時期を確認する
  • 住宅用地特例が外れる条件を確認する

それぞれを順に解説します。

相続放棄を判断できる期間を把握する

放棄を検討するなら、家財の処分と換価を先に行わないことが前提です。財産を処分すると、相続を承認したと扱われる可能性があります。

申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所で、期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。調査が終わらない場合は、家庭裁判所へ申し立てて期間を伸長できます。申立ては原則として3か月以内に行います。

検討が必要になる状況は、次のような場合です。負債の有無が分からず、金融機関からの通知が続いているとき。農地や山林があり、引き継いだ後の管理の見通しが立たないとき。共有地が含まれ、他の共有者と連絡が取れないときです。期間内に判断できない見込みなら、まず伸長の相談をします。放棄の可否そのものは、弁護士または司法書士へ渡してください。

出典:裁判所:相続の放棄の申述/裁判所:相続の承認又は放棄の期間の伸長

相続税の申告と納付の日程を逆算する

申告が必要かどうかの見当を早めに付け、期限から逆算して評価と分割の日程を置きます。期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内で、10か月目の日が土日祝なら翌日です。

必要かどうかの目安になるのは基礎控除額で、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。判定には資料が要ります。

  • 不動産:固定資産評価証明書、登記事項証明書、公図
  • 金融資産:残高証明書、証券の取引残高報告書
  • 債務と葬式費用:借入残高、領収書

遺産が未分割でも申告期限は延びません。分割の話し合いが長引きそうなら、期限内の申告方法を含めて税理士または所轄税務署へ相談してください。

出典:国税庁:相続税の申告と納税/国税庁:相続財産が分割されていないときの申告

相続登記の申請義務に期限内で対応する

登記が済んでいないと売却も担保設定もできず、申請義務にも関わります。義務化は2024年4月1日に始まり、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。

施行日より前に相続を知っていた不動産は、2027年3月31日までが期限です。遺産分割が成立した場合は、その日から3年以内に内容に応じた登記を行います。正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料の対象です。期限内に分割がまとまらないときは、相続人申告登記という簡易な手続きで義務を履行できます。

  • 戸籍と住民票の除票、相続人の住民票を集める
  • 登記事項証明書と固定資産評価証明書で対象を確定する
  • 遺産分割協議書と印鑑証明書を添えて法務局へ申請する

共有者が多い場合や、祖父母の代から登記が動いていない数次相続では、必要な戸籍の範囲が広がります。相続人が判明しない段階で自力申請を進めず、司法書士へ渡します。

出典:法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A

空き家の譲渡所得特別控除の適用時期を確認する

適用には売却時期と家屋の状態などの要件があり、片付けや解体の順序が可否に影響します。譲渡は相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに行う必要があります。

先に確認する項目は3つです。

  • 譲渡の期間:2027年12月31日までの譲渡であること
  • 譲渡対価:1億円以下であること
  • 家屋の扱い:耐震改修または取壊しを行うこと

家屋の扱いは2024年1月1日以後の譲渡で広がり、譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに取壊し等を行った場合も対象になります。買主が解体する前提でも使える余地があるため、解体の時期は契約前の確認が必要です。申告には市区町村が交付する被相続人居住用家屋等確認書が必要で、交付要件は所在地の公開情報で確かめます。適用の最終判断は税理士または所轄税務署へ渡してください。

出典:国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置

住宅用地特例が外れる条件を確認する

特例が外れるのは空き家であること自体ではなく、法に基づく判断と手続きを経た場合です。市区町村長から勧告を受けた特定空家等の敷地、および勧告を受けた管理不全空家等の敷地が、住宅用地特例の対象から除外されます。

特例では、固定資産税の課税標準が200㎡以下の部分で6分の1、200㎡超の部分で3分の1に減額されます。管理不全空家等の枠組みは2023年12月13日施行の改正空家法で加わり、指導や勧告の判断基準の根拠はガイドラインです。除外は勧告の後に生じるため、指導の段階で状態を改善すれば回避の余地があります。

  • 屋根、外壁、雨どいの破損と、窓や門扉の施錠を見る
  • 庭木と雑草の高さ、越境の有無を確認する
  • 郵便物の滞留と、通水と換気の記録を残す

自分の家が該当するかどうかの課税判断は、固定資産税課へ問い合わせてください。

出典:国土交通省:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置

期限のうち、どれを先に動かすかは家庭ごとに違います。相続放棄と相続登記の可否は司法書士または弁護士へ、相続税と特例の適用は税理士または所轄税務署へ渡すと、判断の材料がそろいます。相談時には、期限カレンダーの表に自分の起算日を書き込んで持参してください。

自分で判断せず相談する場面と窓口を選び分ける

費用や期限の見当がついても、共有名義や特例の可否は自分で決めきれません。相談先は、行政、法律、税務、不動産、生活支援の5つの選択肢に分かれます。

  • 市区町村の空き家窓口と固定資産税課に補助と課税を確認する
  • 登記は司法書士、対立は弁護士に相談する
  • 特例の適用可否は税理士と所轄税務署に確認する
  • 不動産会社の査定は名義確認後に依頼する
  • 地域包括支援センターと消費生活センターに切り分けて相談する

それぞれを順に解説します。

困っている場面窓口持参する書類費用の考え方
解体や改修の補助、空き家バンク、課税の扱いを知りたい市区町村の空き家窓口、固定資産税課納税通知書、登記事項証明書、建物の写真相談自体の費用の有無を予約時に確認
名義変更や必要書類の手順が分からない司法書士登記事項証明書、戸籍関係書類、相続人の一覧報酬は事務所ごとに確認
きょうだいの意見が対立している弁護士遺言の有無、不動産の一覧、これまでの経緯メモ法テラスの公開情報も併せて確認
申告が必要か、特例が使えるか判断できない税理士、所轄税務署財産の一覧、売却予定の資料税務署の相談は費用の扱いを事前確認
売れるか、いくらで売れるか知りたい不動産会社登記事項証明書、公図、建物の写真査定の費用の有無を依頼時に確認
親の判断能力、業者との契約に不安がある地域包括支援センター、消費生活センター契約書、見積書、親の状況メモ相談が無料か有料かを電話で確認

市区町村の空き家窓口と固定資産税課に補助と課税を確認する

補助制度、空き家バンク、課税の扱いは、実家がある市区町村へ確認します。制度の名称や要件は地域ごとに異なるため、電話で担当課をつないでもらいます。

相談時は、次の3点を手元に置くと話が進みます。

  • 固定資産税の納税通知書:所在地と評価の確認に使う
  • 登記事項証明書:名義と地番の確認に使う
  • 建物の外観と室内の写真:劣化状況を伝える

解体や改修の補助は、着工後の申請が対象外となる場合があります。契約前に申請時期と要件を各自治体の公開情報で確かめてください。課税については、市区町村長から勧告を受けた特定空家等の敷地、勧告を受けた管理不全空家等の敷地が住宅用地特例の対象から除外されます。減額は200㎡以下の部分で課税標準の6分の1です。

出典:国土交通省:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置

登記は司法書士、対立は弁護士に相談する

登記や書類手続きは司法書士、相続人の間で意見が対立している場合は弁護士へ相談します。同じ「相続の相談」でも、扱える範囲が違います。

依頼範囲司法書士弁護士
名義変更の登記申請中心的な業務対応可
戸籍収集、遺産分割協議書の作成補助対応可対応可
分け方でもめている場合の代理交渉、調停対象外中心的な業務

相談前に用意する情報は3つです。

  • 相続人の関係:誰が何人いるか、連絡が取れるか
  • 遺言の有無:見つかった場所と形式
  • 不動産の一覧:所在地、名義、共有かどうか

相続登記は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。期限が近い場合は、この点を最初に伝えてください。費用と依頼範囲は、相談予約の際に各事務所へ確認します。

出典:法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A

特例の適用可否は税理士と所轄税務署に確認する

申告の必要性と特例の適用可否は、税理士か被相続人の所轄税務署で確認します。判断が分かれる論点なので、自己判断で売却や解体を先に進めないでください。

相談が必要になる場面は主に3つです。

  • 申告が必要か不明:基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 売却で譲渡益が出そう:空き家の特別控除の要件確認が必要
  • 共有のまま売却する:控除額が1人2,000万円になる場合がある

空き家の特別控除は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が対象です。解体するかどうかは、この特例の要件を確認してから決めます。国税庁の相談窓口の種類と受付方法は、公開情報で確かめてください。

出典:国税庁:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

不動産会社の査定は名義確認後に依頼する

査定は、名義と相続人の確認が済んだ後、片付けや解体の前に受けます。順序を逆にすると、売れない物件を先に片付けたり、残せた建物を壊したりする恐れがあります。

片付け前に査定を受ける理由は2点です。第一に、家財が残ったままでも買い取る事業者がいるため、処分費を抑えられる可能性があります。第二に、建物付きで売れるのか、解体が必要なのかを先に知れば、費用の見込みが変わります。

複数社に同じ項目を確認します。

  • 想定価格の根拠と、近隣の成約事例
  • 売却までの想定期間と、解体の要否
  • 媒介契約の形態と、報酬の扱い

媒介契約には専属専任、専任、一般の区分があり、依頼できる社数や報告頻度が変わります。仲介手数料には法令上の上限規制があるため、金額と算定根拠を書面で示してもらいます。

地域包括支援センターと消費生活センターに切り分けて相談する

親の判断能力に不安がある場合は地域包括支援センター、業者との契約に不安がある場合は消費生活センターへ相談します。どちらも不動産の相談窓口ではありませんが、実家じまいが止まる原因はこの2つに集まりやすいところです。

相談時に伝える情報をそろえておきます。

  • 親の状況:入居先、日常の会話や金銭管理の様子
  • 契約の内容:契約日、業者名、見積書と契約書の有無
  • 困っている点:解約したいのか、金額に疑問があるのか

親名義の家を親自身が売る場合、判断能力が下がっていると契約が難しくなります。成年後見の入口は地域包括支援センターで案内を受けられます。訪問見積の当日契約や高額な追加請求で迷ったときは、契約書を持って消費生活センターへ。相談が無料か有料かは、電話予約の時点で確かめてください。

今月は書類2点の取得と家族への一報から動き出す

窓口の当たりが付いたら、着手は小さく始めて構いません。今月やることは、登記事項証明書と固定資産税納税通知書の確認、きょうだいへの着手連絡で十分です。今月の一手は、親の状態と期限の有無という2つの観点から確認できます。

  • 親の状態別に今月の一手を1つに確定する
  • 期限が絡む論点は着手前に相談先を確保する

それぞれを順に解説します。

親の状態別に今月の一手を1つに確定する

親が存命なら資産メモ、施設入居なら管理体制、相続開始なら相続人確認から着手します。状態が違えば、最初に触る書類も変わります。

親の状態今月の一手必要な書類
自宅で生活している不動産と口座の所在を1枚のメモにする納税通知書、権利証や登記関係の書類
施設へ入居して無人になった通水、郵便、庭の管理の担当と頻度を決める納税通知書、施設の連絡先
判断能力の低下がある地域包括支援センターへ状況を相談する親の状況メモ、介護保険の資料
相続が開始した戸籍をたどり相続人を確定する登記事項証明書、戸籍関係書類

複数に当てはまるときは、期限のある手続きを含む行を先に選びます。写真や家具の仕分けは今月の対象にしません。物に手を付けるのは、名義と家族の合意を確認してからです。登記事項証明書は窓口の書面請求で1通600円、オンライン請求なら送付520円、窓口受領490円です。

出典:法務省民事局:各種証明書等の手数料が変わります

期限が絡む論点は着手前に相談先を確保する

放棄、申告、登記、特例のいずれかが絡むなら、片付けの着手前に相談枠を押さえます。相談先によって予約方法が異なるため、期限を確認した時点で受付方法を調べます。

予約は期限が短い順に取ります。

  • 負債の心配があるとき:熟慮期間は3か月以内なので家庭裁判所と弁護士を最優先
  • 申告や特例が絡むとき:申告期限は10か月以内なので税理士か所轄税務署
  • 名義変更が残るとき:3年の期限を踏まえ司法書士

持参する書類は、この記事の窓口の対応表にある3点セットをそのまま使えます。熟慮期間は家庭裁判所への申立てにより伸長できる場合があるため、間に合わないと感じたら早めに相談してください。期限と要件は、法務省、国税庁、裁判所の公開情報で確認したうえで判断します。

出典:裁判所:相続の承認又は放棄の期間の伸長

よくある質問

実家が賃貸住宅の場合も同じ順序で進められますか?

賃貸の場合は名義や登記の確認が不要になり、代わりに賃貸借契約の内容確認が起点になります。解約の通知時期、原状回復の範囲、残置物の扱いは、契約書と特約の確認事項です。契約書が見つからないときは、管理会社か家主へ連絡して写しを求めます。親が存命で入院や入居中なら、契約者本人の意思確認が必要になる点も先に確かめてください。

実家から見つかった写真データやパソコンはどう扱えばよいですか?

機器は本体と中のデータを分けて考えます。パソコンやスマートフォンは、通帳がなくてもネット口座や有料契約の手がかりが残る場合があるため、相続人の確認が済むまでは処分せず、保管が必要です。写真データは外付けの記録媒体へ複製してから、きょうだいで共有すると行き違いが減ります。機器の廃棄は、データ消去の方法と回収ルールを自治体で確認してください。

実家に残っていた現金や預金通帳はどう扱えばよいですか?

相続開始後に見つかった現金と通帳は相続財産に含まれるため、発見した日、場所、金額を記録し、単独で使わずに保管します。金額が分かれば、基礎控除の3,000万円+600万円×法定相続人の数と照らして申告の要否を検討できます。判断に迷う場合は税理士か所轄税務署へ。手元の現金は、写真を撮って家族へ共有しておくと説明しやすくなります。

作業を始める前に近隣へ連絡は必要ですか?

法令上の義務とは別に、トラックの駐車や騒音、ほこりが出るため、着手前に一報を入れると、近隣も作業日と連絡先を把握できます。片付けだけなら日程と作業時間、解体を伴うなら期間と施工業者の連絡先を伝えます。あいさつの範囲や方法は、依頼する業者が代行する場合もあるため、契約前に確認してください。私道や共同の通路を使うときは、通行の可否も先に確かめます。

実家から出た家具や家電を寄付やリユースに回す方法はありますか?

行き先は、買い取り、地域の譲渡先、支援団体への寄付の3つに分かれます。動作する家電や状態の良い家具は、片付け業者の買い取り査定に含められる場合があります。自治体が再利用の掲示板やリユース会を運営していることもあるため、空き家窓口で聞いてみてください。寄付は、送料の負担、受け入れ品目、引き取り時期の条件を先に確認します。

実家じまいは名義と期限の確認から始める

実家じまいは、物ではなく書類から始めます。登記事項証明書と固定資産税納税通知書で名義と課税を確かめ、きょうだいへ着手を一報する。ここまでで今月分は足ります。

そのうえで、期限のある論点だけを先に切り出します。負債の心配があれば相続放棄の熟慮期間は3か月以内、相続税の申告は10か月以内、相続登記は3年以内です。いずれかに触れるなら、片付けより先に相談枠を押さえてください。

窓口は場面で選び分けます。補助と課税は市区町村、登記は司法書士、対立は弁護士、特例は税理士か所轄税務署。親の判断能力は地域包括支援センター、契約の不安は消費生活センターです。

期限と要件は改正されることがあります。判断の前に一次情報で確認し、迷う部分は専門家へ渡しましょう。

きょうだいや家族と、同じ記事を見ながら話せます。

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この記事について

継ぐ家の編集部が、官公庁と自治体の公表している情報をもとに作成しました。個別の事情によって結論が変わる内容は、記事の中で相談先を示しています。誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。