トップ親を見送った

遺品整理で出た本は売れる?買取の頼み方と依頼前の確認事項

この記事の目次
  1. 売りに出す前に家族が残したい本を確認する
  2. 本の買取は出張・宅配・店頭から選ぶ
    1. 自宅へ来てもらう出張買取
    2. 箱に詰めて送る宅配買取
    3. 店舗へ持ち込む店頭買取
  3. 査定を相談する前に伝えたい本の情報
    1. 本の分野とおおよその量
    2. 書名と発行情報
    3. 巻のそろい方と付属品
    4. 傷みや書き込みの状態
  4. 本の買取を相談する店を選ぶ確認点
    1. 店舗の所在地や連絡先を確認できる
    2. 売りたい本の分野について相談できる
    3. 査定や取引の条件を具体的に説明してくれる
  5. 本の買取を依頼する前に費用を確認する
  6. 出張買取の申し込みから引き渡しまでの流れ
    1. 蔵書の内容を伝えて対応できるか聞く
    2. 訪問日時を決めて搬出経路を伝える
    3. 売りたい本を見てもらい査定額を確認する
    4. 取引に同意した本を引き渡す
  7. 値段がつかなかった本の手放し方
  8. 残す本を確認したら、蔵書の写真で買取を相談する

「親が残した本が書斎と廊下の棚に並んだままで、手をつけられない」

「古い本ばかりだから売れないと思うけれど、まとめて捨てるのは気が引ける」

このようなお悩みはありませんか?

本を売りたいと思っても、どこに頼めばよいのか、店まで運ぶ必要があるのかが気になるでしょう。この記事では、出張・宅配・店頭買取の違いと、相談前に用意する本の情報を確認できます。依頼時にかかる費用や、値段がつかなかった本の扱いも確認しながら、自分に合う頼み方を考えてみてください。

相続放棄を検討している方は、本を売ってよいか、先に弁護士へ相談してください。相続放棄は家庭裁判所に申述する手続きです。相続するかどうか迷っている段階では、ご自身の状況を伝え、本の扱いも含めて相談しましょう。

出典:裁判所:相続の放棄の申述

売りに出す前に家族が残したい本を確認する

最初に決めるのは、自分や家族が手元に残したい本です。本棚の前に空き箱を用意し、読み返したい本、故人の書き込みや蔵書印がある本、兄弟や孫が欲しがりそうな本を先に取り分けます。取り分けた箱は、査定の当日に触られない場所へ移しておくと取り違えを防げます。

迷う本はどうするか。無理に決めず「保留」の箱へ入れ、今回の査定対象から外してかまいません。判断が固まってから、次の機会に相談できます。

残さないと決めた本については、古い、日焼けしている、といった見た目で自分が値段を決めてしまわないことが大切です。そのまま査定へ回し、値段がつかなかった本の行き先は記事の後半で確認します。相続の手続き全体の進み方は「実家の相続手続きは何からはじめる?親の死後に確認する流れと期限」で確認できます。

本の買取は出張・宅配・店頭から選ぶ

残す本を分けたら、次は頼み方を決めます。本の買取は、誰が運ぶか、梱包を誰がするか、自宅へ人を入れるかという違いで3つの方法に分かれるのが特徴です。

  • 自宅へ来てもらう出張買取
  • 箱に詰めて送る宅配買取
  • 店舗へ持ち込む店頭買取

それぞれを順に解説します。

自宅へ来てもらう出張買取

出張買取は、担当者が実家まで来て、棚に並んだままの本を見て査定する頼み方です。段ボールへの詰め替えを自分で行うかどうかは店によって違うため、申し込みのときに梱包まで頼めるかを尋ねてください。書斎ひと部屋分のように運び出せない量があるときの相談先になります。

当日に立ち会いが必要かどうかも、あわせて確認しておきたい点です。鍵を開け、どの棚が対象かを案内する人がいるかで段取りが変わります。遠方に住んでいるなら、法要や換気で実家へ行く日程に合わせて訪問日を相談しておくと、往復の回数を増やさずに済みます。対応できる地域かどうかも店ごとに違うため、最初の連絡で確認してください。

箱に詰めて送る宅配買取

宅配買取は、自分で段ボールに本を詰め、配送業者に集荷してもらって査定を受ける方法です。訪問の日程調整がいらないので、平日に休みを取りにくい方や、実家から離れた場所に住んでいる方でも進めやすくなります。

負担になるのは箱詰めです。本は重く、詰めすぎると持ち上がらなくなるため、一箱に入れる冊数を控えめにし、集荷場所まで動かせる重さに抑えます。段ボールを送ってもらえるか、送料や返送料の扱いはどうなるか、本人確認書類の提出方法は何かを、申し込み画面や電話で先に確認しておくと、箱を用意してから慌てずに済みます。

店舗へ持ち込む店頭買取

店頭買取は、自分の車などで本を運び、店の窓口で査定してもらう方法です。担当者と対面で話せるので、「この全集は扱えますか」「この状態でも見てもらえますか」といった疑問をその場で聞けます。

一方で、運搬はすべて自分の負担になります。紙袋は重さで破れることがあるので、台車やキャリーケースを使い、一度に運ぶ量を分けると安全です。持ち込む前に電話で分野と量を伝え、その日に査定できるかを聞いておくとよいでしょう。

なお、業者に売らず自分で売るなら、フリマアプリという選択肢もあります。撮影、価格の設定、梱包と発送を自分で行うため、冊数が絞れている場合の方法として考えてください。

査定を相談する前に伝えたい本の情報

頼み方を決めたら、相談の内容を用意します。買取の可否や見当を店に判断してもらうために伝える情報は、次の4種類です。

  • 本の分野とおおよその量
  • 書名と発行情報
  • 巻のそろい方と付属品
  • 傷みや書き込みの状態

それぞれを順に解説します。

本の分野とおおよその量

最初に伝えるのは、どんな種類の本がどれくらいあるかという二点です。歴史、美術、医学、俳句、鉄道といった分野を挙げ、扱える蔵書かどうかを店に尋ねてみてください。

量については、全部を数える必要はありません。本棚を正面から撮った写真を数枚送り、たとえば「この棚が3本と、床に積んだ分があります」といった形で伝えます。冊数まで必要かどうかは店によって違うので、相談のときに聞いてみてください。写真は棚一段ずつ、背表紙の文字が読める距離でも撮っておくと、分野の判断に使ってもらえます。撮影は残す本を分けた後だと、対象の範囲がそのまま伝わります。

書名と発行情報

棚全体の写真に加えて、分野が伝わる本や目についた本は一冊ずつ情報を伝えます。表紙と、奥付を撮っておくと役立ちます。奥付とは、巻末などにある、書名、著者、出版社、発行年が印刷されたページです。

なぜ発行年まで必要なのか。同じ書名の本が何種類もある場合、書名だけではどの本かが伝わりにくいためです。写真が難しければ、書名、著者、出版社、発行年をメモに書き写してメールへ貼り付けてもかまいません。何冊も抜き出す余裕がなければ、まずは目についた数冊から相談してください。

巻のそろい方と付属品

全集や講座物、シリーズ物は、全部で何巻あり、手元に何巻残っているかを伝えます。棚の背表紙の巻番号を目で追い、抜けている番号を書き出せば、全巻そろっているのか、一部だけ欠けた状態なのかを店に伝えられます。

付属品の有無も一緒に見てください。函と呼ばれる収納用の箱、帯、月報という全集などに挟まれている小冊子、別冊の索引などは、本体とは別に押し入れへしまわれている場合があります。探して見つかったら、本体と並べて写真を撮り、そろっている範囲を伝えます。抜けがあっても相談自体は続けられるので、そろえてから連絡しようと待つ必要はありません。

傷みや書き込みの状態

日焼け、雨漏りによる濡れじみ、破れ、線引きや書き込み、蔵書印といった状態は、隠さずそのまま写真で伝えます。送る前に「この状態でも買い取ってもらえますか」と尋ね、受け付けの可否を確認しておきましょう。

では、傷んだ本は相談しても無駄なのでしょうか。全国古書籍商組合連合会の案内では、古本の評価は見た目のきれいさだけで決まるものではないとして、各書店へ買取を相談するよう示されています(出典:全国古書籍商組合連合会「古書買取り」)。自分の判断で処分を決める前に、状態を含めて写真で相談してください。テープで貼るなどの補修は、かえって状態を変えてしまうため行いません。

本の買取を相談する店を選ぶ確認点

伝える情報がそろったら、どこへ送るかを決めます。依頼先を比べるときに見る点は、次の3つです。

  • 店舗の所在地や連絡先を確認できる
  • 売りたい本の分野について相談できる
  • 査定や取引の条件を具体的に説明してくれる

それぞれを順に解説します。

店舗の所在地や連絡先を確認できる

ホームページや申込ページで、店舗名、所在地、電話番号が表示されているかを見ます。やり取りの途中で連絡が取れなくなったときに、こちらから問い合わせられる窓口があるかどうかが分かれ目になります。

ポストに入っていたチラシや、携帯番号だけが書かれた広告から申し込む場合は特に注意してください。連絡先が携帯番号のみで住所の記載がないときは、店舗の所在地を電話で尋ね、答えをメモに残します。やり取りを始めた店については、店名、担当者名、電話番号、メールアドレスを一つのメモにまとめておくと、複数社に相談したときも混乱しません。

売りたい本の分野について相談できる

店ごとに得意な分野は異なります。手元の蔵書が美術書中心なのか、文庫と実用書が中心なのかを踏まえ、その分野の取り扱いを掲げている店へ写真を送って相談できるかを聞きます。

どこを探せばよいか分からないときは、全国古書籍商組合連合会の買取案内から地域で書店を探し、手元の分野を扱っているかを問い合わせられます(出典:全国古書籍商組合連合会「古書買取り」)。「高価買取」といった表示だけで選ばず、実際に手元の分野を見てもらえるかどうかで判断してください。返答の速さや説明の丁寧さも、比べる材料になります。

査定や取引の条件を具体的に説明してくれる

問い合わせの段階で、金額がつく本とつかない本をそれぞれどう扱うのかを質問します。「値段がつかなかった本は持ち帰ってもらえますか」「一部だけ売るという判断はできますか」と聞き、返ってきた内容をそのままメールやメモに残してください。

答えがあいまいなまま当日を迎えると、その場で決めなければならない場面も出てきます。質問に具体的に答え、条件を文面で送ってくれる店なら、家族と相談する時間も取れます。金額の内訳をどこまで示してもらえるかも、あわせて聞いておきましょう。支払いにかかわる費用の項目は、次の章で確認します。

本の買取を依頼する前に費用を確認する

査定額が手取りとは限りません。出張料や送料などが差し引かれる場合があるため、申し込みの前に、どの項目にいくらかかるのかを一つずつ聞いて書き留めます。無料と書かれていても、地域や冊数の条件がついていることがあります。

確認する項目聞き方の例
査定料見てもらうだけで費用はかかりますか
出張料や交通費この住所は対応地域ですか、訪問の費用はかかりますか
送料と梱包材段ボールは送ってもらえますか、送料は誰の負担ですか
返送料金額に納得できないとき、本は返してもらえますか
キャンセル時の負担訪問後や発送後に取りやめた場合の費用はどうなりますか
値段がつかない本の扱い売れない本の引き取りは頼めますか、費用はかかりますか

取り消しの条件も先に確認してください。消費者庁の資料では、訪問購入の適用除外物品の具体例として、事典、全集物、写真集、問題集、雑誌、単行本という書籍が挙げられています(出典:消費者庁「訪問購入」、適用除外物品の具体例)。訪問購入の規制をそのまま当てはめられないため、返却や取り消しの条件は契約の前にメールなどの文面で確認しておいてください。

出張買取の申し込みから引き渡しまでの流れ

出張買取の流れは、問い合わせ、日程の調整、査定、同意した本の引き渡しという4つの段階です。

  • 蔵書の内容を伝えて対応できるか聞く
  • 訪問日時を決めて搬出経路を伝える
  • 売りたい本を見てもらい査定額を確認する
  • 取引に同意した本を引き渡す

それぞれを順に解説します。

蔵書の内容を伝えて対応できるか聞く

最初の連絡では、撮っておいた本棚の写真と分野、おおよその量を送り、訪問して見てもらえるかを尋ねます。電話でもメールでもかまいませんが、条件の回答が残るメールやフォームだと後から見返せます。

このとき、あわせて聞いておきたいのが次の項目です。

  • 実家の住所が対応地域に入っているか
  • 冊数や分野に受け付けの条件があるか
  • 梱包や運び出しはどちらが行うか
  • 立ち会いと本人確認書類は必要か

回答は店によって違います。一社で断られても、分野の合う別の店には相談できます。

訪問日時を決めて搬出経路を伝える

対応できると返事があったら、訪問の日時を決めます。実家が遠い場合は、自分が滞在できる日をいくつか挙げ、その中で合う枠があるかを相談すると往復が減らせます。

日時と同じくらい大事なのが、家までの経路と建物の条件です。前面道路の幅や車を停められる場所、マンションならエレベーターの有無、本がある部屋が2階かどうか、玄関までの段差や通路の広さを伝えます。当日は、廊下に積んだ荷物をよけ、玄関から本棚までまっすぐ歩ける状態にしておくと、作業の相談がしやすくなります。

売りたい本を見てもらい査定額を確認する

当日は、残すと決めた箱や棚を先に示し、「こちらは対象外です」と伝えてから査定に入ってもらいましょう。付箋や貼り紙で区別しておくと、口頭だけより行き違いが起きにくくなります。

査定が終わったら、どの本が対象になり、いくらになるのかを聞きます。全体でいくら、という説明だけで分かりにくければ、まとまりごとの内訳を尋ねてかまいません。判断がつかない本は、その場で売却に同意せず保留にします。また、本の間に手紙、写真、通帳、株券などが挟まっていることがあるため、引き渡す前にページをめくって確認しておきます。

取引に同意した本を引き渡す

金額に納得したら、支払いの方法と時期を確認してから引き渡します。その場で現金を受け取るのか、後日の振り込みになるのかは店によって違うため、振り込みなら口座と入金予定日を聞いておきます。

引き渡す前に、同意した範囲を記録しておくと安心です。持ち出される箱や棚の写真を撮り、明細や受領書をもらえるかを尋ねます。書類には、日付、店名、担当者名、対象と金額が入っているかを確認してください。売却後に家族から「あの本はどうしたのか」と聞かれても、記録があれば説明できます。

値段がつかなかった本の手放し方

査定で金額がつかなかった本は、まず査定を受けた店に引き取ってもらえるかを聞きます。引き取りに対応している場合でも費用の扱いは店ごとに異なるため、無料か有料かをその場で確認してください。

引き取りを頼まない本は、読みたい人へ譲るか、本のある実家の自治体の案内に沿って古紙として出します。横浜市では、単行本などを雑誌の区分として地域の資源集団回収へ出すよう案内があり、紙以外の付録や表紙は分けるよう示されています(出典:横浜市「古紙」)。区分や出し方は地域で違うので、実家のある市区町村の案内で確認してください。図書館や施設への寄贈を考えるなら、受け入れの条件を先に問い合わせてください。

行き先先に確認すること
査定を受けた店値段がつかない本も引き取れるか、費用はかかるか
家族や知人誰がいつ受け取りに来るか
自治体の古紙回収実家の地域での区分、出す場所と日
図書館や施設受け入れの条件と持ち込み方法

自分で運べない量が残り、家具や衣類の片付けもまとめて頼むなら、見積もりに本を含められるかを事業者へ相談します。なお環境省は、家庭から出る廃棄物の回収について、市区町村の許可や委託と、古物商などの許可を区別して案内しています(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。依頼先の許可の有無は契約前に確認してください。費用の見方は「遺品整理の費用相場はどう調べる?見積もりが適正か判断する方法」で確認できます。

残す本を確認したら、蔵書の写真で買取を相談する

本を手放す作業は、三つの順番で進めると迷いが減ります。最初に、家族が読みたい本と手元に残す本を取り分け、迷う本は保留にして査定の対象から外しておきましょう。

次に、残った本の棚を写真に撮り、分野とおおよその量、目立つ本の書名と発行情報、巻のそろい方、傷みの状態を添えて相談します。所在地と連絡先が分かり、その分野を扱う店を選び、質問への答えを文面で残してもらってください。

最後に、査定料や出張料、送料、値段がつかない本の扱いといった費用と条件を確認してから申し込みます。引き渡すときは、同意した範囲を写真や書類で記録に残します。古い本でも、自分で値段を決めずに相談するところから始めてください。

きょうだいや家族と、同じ記事を見ながら話せます。

LINEで家族に送る

この記事について

継ぐ家の編集部が、官公庁と自治体の公表している情報をもとに作成しました。個別の事情によって結論が変わる内容は、記事の中で相談先を示しています。誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。