
この記事の目次
「親の写真がたくさん出てきたけれど、全部残さないといけない?」
「写真を捨てる前に、きょうだいや親戚にはどう聞けばいい?」
このようなお悩みはありませんか?
実家のアルバムを開くと、懐かしい家族写真も、誰が写っているか分からない写真も出てきます。残したい気持ちはあっても、自宅にすべて持ち帰るのは難しいでしょう。
最初から捨てる写真を決めず、自分や家族が残したい写真を選ぶところから始めてみてください。迷うものは、後で考えてもかまいません。
この記事では、紙の写真やアルバムを中心に、家族への聞き方、保管方法、処分前の確認事項を扱います。遠方の実家を片付けている方も、帰省中にどこまで進めるかを決めながら読んでいただけます。
写真を全部残すか捨てるか、一度に決めなくてよい
写真の整理は、その日にすべてを終える必要はありません。まずは「残す候補」「家族に確認するもの」「判断を保留するもの」と書いた袋や箱を用意します。これは保管先を決めるまでの仮の分け方です。家族の返事を聞いてから、別の箱へ移してもかまいません。
迷った写真は、何に迷ったのかもメモしてください。「誰が写っているか叔母に聞く」「弟が帰省したときに見る」など、次に確かめることが分かる書き方なら、後日続きを始められるでしょう。
実家を空ける日が決まっている場合は、保留した箱を誰が持ち帰るかまで相談します。家を片付ける日と、写真を手放す日を同じ日にする必要はありません。
なお、相続放棄を検討しているなど、遺品を処分してよいか判断できない事情がある場合は、先に弁護士へ確認してください。手続き全般は、実家の相続手続きは何からはじめる?親の死後に確認する流れと期限で確認できます。
残す写真を選ぶ3つの手順
写真やアルバムを家の中から集めたら、仕分けは次の3段階で進めます。先に撮影時期を大まかに分け、自分が残したいものを選んでから、家族の希望を聞く順番です。途中で思い出に手が止まったら、その日の作業を終えてもかまいません。
- 手順1:写真を撮影時期ごとに分ける
- 手順2:手元で見返したい写真を選ぶ
- 手順3:家族に残したい写真を尋ねる
それぞれを順に解説します。
手順1:写真を撮影時期ごとに分ける
細かな日付を調べる前に、「親の若い頃」「子どもが小さい頃」など、分かる範囲の時期で束を分けます。
同じ旅行や行事の写真が集まると、似た写真を並べて見比べられるでしょう。すでにアルバムにまとまっている分は、その並びのままで十分です。最初から写真を抜いて、すべて並べ直す作業は要りません。
撮影時期が分からない束は、分からないまま別にしておきます。裏面の名前や日付、写真店の袋に書かれた言葉も手掛かりになるため、袋も一緒に残してください。分かる写真の仕分けを先に進めれば、調べ物だけで作業が止まらずに済みます。
手順2:手元で見返したい写真を選ぶ
親の表情や、その場の出来事を思い出せる写真から選ぶと、残す枚数を先に決めずに仕分けを始められます。
例えば、いつもの台所に立つ姿、家族で出かけた日の集合写真、親が大切にしていた仕事の写真です。晴れの日の記念写真だけでなく、普段の様子も候補にしてみてください。
似た写真が続くときは、写っている人や表情を見比べます。同じ構図でも、片方にしか写っていない家族がいるかもしれません。単に「似ているから」という理由だけで減らさず、自分が見返したい方を選ぶのが基準です。両方残したければ、無理に絞らなくてもよいでしょう。
手順3:家族に残したい写真を尋ねる
きょうだいや親戚には、どの写真を残したいかに加え、紙の写真が欲しいのか、画像だけでよいのかも尋ねます。
「欲しい写真はある?」だけでは、どんな写真があるのか分かりません。離れて暮らす家族には、アルバムのページや、写真を並べたところを撮って送ると、話を始められるでしょう。次の文例は、継ぐ家で作成した連絡用のひな形です。
実家から、この写真が出てきました。残しておきたいものはありますか?欲しい写真に印を付けて、「紙の写真が欲しい」「画像だけ欲しい」「まだ迷っている」のどれかを教えてください。分からない人が写っていたら、名前も教えてもらえると助かります。
紙の写真を複数の人が希望したら、誰が持つかを相談し、ほかの人には複製を渡す方法も検討します。返事がまだ届いていなければ、処分への同意があったと判断せず、確認待ちのまま保管してください。
残す写真は見返しやすい形で保管する
残したい写真が決まったら、保管方法は紙のまま残す方法と、画像データにする方法の2つから考えられます。手に取って見たい写真は紙で、離れた家族と見たい写真は画像でも残すなど、両方を選んでもかまいません。
- アルバムや写真用の保存箱で保管する
- 画像データにして保管する
それぞれを順に解説します。
アルバムや写真用の保存箱で保管する
親の書き込みやページの並びも残したいアルバムは、写真だけを抜かず、1冊のまま保管する方法が合います。
アルバムに入っていない写真を新しく収めるなら、写真保存用のアルバムや箱を選んでください。米国国立公文書館は、写真に触れる素材に配慮し、のりを使わない収納方法を案内しています。詰め込み過ぎも避けるよう示しています。
保管場所も確認が必要です。同館の家庭向け案内では、高温になる屋根裏や湿った地下室、水漏れの恐れがある場所などを避けています。実家が空き家になるなら、アルバムを残したままにせず、状態を確かめられる家族の自宅で保管できないか相談してみてください。
画像データにして保管する
スマートフォンなどで撮影する方法と、写真店などへ取り込みを頼む方法があります。手間をかけられる量で選んでください。
自分で撮るなら、まず少量を試し、顔を拡大して見られるか、照明が写り込んでいないかを確かめます。表だけでなく、裏面の名前や日付、台紙の説明も残したい情報です。ページのつながりを残したいアルバムは、ページ全体も撮影しておくとよいでしょう。
量が多くて依頼したい場合は、申し込む前に次の点を確認してください。
| 確認する項目 | 依頼先に聞く内容 |
|---|---|
| 写真の取り扱い | 台紙から外す作業があるか、元の写真やアルバムは返却されるか |
| 受け取るデータ | 自分のスマートフォンやパソコンで見られる方法か |
| 支払い総額 | 取り込み以外の作業や送料を含め、いくらかかるか |
データ化しただけで、元の写真を捨てる必要はありません。次の確認を終えてから、残し方を決めましょう。
元の写真を手放す前にデータを開いて確かめる
データを保存できたら、まず自分の端末で開いてください。ファイル名が並んでいるだけでは、残したい写真が見られる状態かどうかまでは分かりません。
次の表は、継ぐ家で作成した処分前の確認表です。気になる項目が残ったら、元の写真は保管したまま確かめます。
| 確認する場面 | 確認できたらチェック |
|---|---|
| 画像を開いたとき | 残す予定の写真が入り、顔や文字を必要な大きさで見られる |
| 元の写真と比べたとき | 必要な裏書きや台紙の説明も残っている |
| 別の保存先を開いたとき | 複製したデータを、そこからも開ける |
| 家族に渡したとき | 受け取った人も開けており、紙の写真を希望する人がいないか確認済み |
IPAは、機器の不具合などによるデータの破壊に備え、外部の記録媒体などへ定期的に複製するよう案内しています。スマートフォンだけに保存して終わりにせず、パソコンや外付けの記録媒体などにも複製してください。保存先と中身が分かるメモも、家族と共有しておくとよいでしょう。
手放す写真は希望する方法で処分する
自分も家族も残さないと決めた写真は、自治体の収集に出す方法があります。ごみとして出すことに抵抗があるなら供養を、家の荷物も多いなら業者への依頼を検討できます。処分方法の候補は、次の3つです。
- 自治体の分別ルールに従って出す
- 供養を希望する場合は寺院などへ相談する
- 家の片付けと一緒に業者へ依頼する
それぞれを順に解説します。
自治体の分別ルールに従って出す
写真やアルバムは、実家の所在地の分別表で出し方を確かめてから処分します。古紙と決めつけないでください。
例えば千葉市は、写真やアルバムをリサイクルできない物として挙げ、可燃ごみに出すよう案内しています。ただし、この区分をほかの地域へそのまま当てはめることはできません。
自治体の分別表で「写真」「アルバム」を検索し、金具や表紙を分ける必要があるかも確認します。顔や住所などを見られたくない写真は、細かく切る方法も検討してください。指定袋や包み方が分からない場合は、収集窓口へ尋ねてから出せばよいでしょう。
供養を希望する場合は寺院などへ相談する
ごみとして出すのは気が進まないという場合は、寺院などへ写真の供養を相談し、受け付けてもらえるか確認します。
写真だけならよいのか、アルバムごと頼めるのかを、依頼前に尋ねてください。台紙や金具を外す必要があるなら、どこまで自分で行うかも確認が必要です。案内を聞く前に分解したり、郵送したりするのは避けます。
料金、持ち込み方法、供養後の取り扱いまで聞いたうえで、家族が希望する方法かを話し合うとよいでしょう。供養を選んだとしても、迷っている写真まで一緒に渡す必要はありません。今回は見送ると決め、手元に残す選択もできます。
家の片付けと一緒に業者へ依頼する
写真以外にも処分したい家財が多い場合は、実家の自治体に家庭ごみの回収を依頼できる業者を確認してください。
環境省は、家庭の廃棄物の回収には、市区町村の一般廃棄物処理業の許可または委託が必要と案内しています。片付けを請け負う会社に、誰がごみを運ぶのかまで尋ねるのが確認のポイントです。
作業当日は、残すアルバムを先に分け、回収しないよう伝えます。費用を比べる際は、遺品整理の費用相場はどう調べる?見積もりが適正か判断する方法も確認材料になります。
まずは家族に見てもらう写真を選ぼう
遺品整理で写真がたくさん見つかっても、その場で全部の行き先を決める必要はありません。撮影時期ごとに大まかに分け、手元で見返したい写真から選んでください。自分の知らない人が写っていても、きょうだいや親戚には思い出の1枚かもしれません。
家族に聞くときは、紙の写真が欲しいのか、画像だけでよいのかまで尋ねます。返事を待っているものや、まだ判断できないものは保留でかまいません。
残す写真は、アルバムでも画像データでも、家族が見返せる方法を選べます。元の写真を手放すなら、データを開き、必要な写真や書き込みが残っているかを確認しましょう。
今日すべてを終えようとせず、まずは家族に見てもらいたいアルバムを選ぶ。その1冊から、残したい写真について話を始めてみてください。
きょうだいや家族と、同じ記事を見ながら話せます。


